みぞれ小屋@よろづ

徒然に綴ります。主に本と自作品と株について。

映画「響 —HIBIKI—」観てきました

映画「響—HIBIKI—」、観てきました。

www.hibiki-the-movie.jp

実は原作である漫画「響 〜小説家になる方法〜」の方は一巻しか見ていなくて、作者の別作品の方が好きで観に行った次第です。

「女の子が死ぬ話」という、タイトル直球な作品なんですけど。

ずいぶんと前に読んだ作品で、特に「これは傑作だ!」「めちゃくちゃ泣ける!」という作品でもなかったのですが、しんみりと心に残るようなお話で好きでした。

ただ、それ以降作者の本は読んでいませんで。

すっかり忘れていたのです(大変失礼ながら

 

時は流れて、今回の映画化。

柳本光晴という原作者の名前、どこかで見たことがある名前だなーと思ったら、上記の漫画を書いた人ではありませんか!

知らぬ間に人気が出ていたのか、とKindleを開いてみたら「響 〜小説家になる方法〜」とある。

まあ、「小説家になる方法」とサブタイトルにあって気にならないわけがないですね。

というわけで、ぽちって一巻だけ読んでみたところ……。

面白い( ‘ᾥ’ )

まとめ買いしてしまおうか一瞬悩みましたが、先月のKindle祭りでお小遣い吹き飛ばしていましたので、我慢することにw

ただ、期限切れ間近の楽天ポイントがあったのと、お誕生日クーポンがあったので、映画の方だけでも観に行こう!と、本日に至ったという経緯です。

 

で、感想ですが。(以下ネタバレ含みます)

面白いには面白いけれど、尺が短すぎたかなーという感じでした。いわゆる不完全燃焼ってやつですね。

原作の方はまだ完結していなさそうですし、10巻も出ているので、きっと奥行きもあるのでしょう。

そしてこの作品のいいところは、ヒューマンドラマにあるのだろうと察せられます。

しかし映画の方は、時間が短すぎて、主人公が単なる暴力魔になってしまっていたのが。。。

響は15歳なので、いくら優れた小説を書けるといっても素地は暴力に訴えることしかできない幼い娘、という演出だったのかもしれません。

また芥川賞を逃した10年のベテランの方も、きっと漫画では深く突っ込んだお話になっていると思うのですが、映画では単なる負け組みたいな感じで描かれていて、超絶天才作家・鮎喰響を光らせるためだけに用意したという感じが否めず。。。

 

ただ——

生きたいように生きて、書きたいように書く。

世間なんて関係ない。

個人のことは個人で。そこに他人や世間なんていうあやふやなモノを持ち込まない。自分の物差しがすべてで、作品には真摯に取り組み向き合う。誰に何を言われようが、自分の正義を貫く。

そういうメッセージは強烈に叩きつけてくる、そんな熱い作品でした。

昨今の社会(特に世間様パワーの強い日本社会だと思いますが)を痛烈に問う作品であったように思います。

個人的にあまり「天才」ものは好きではないのですが、響は芯が通っていて好感が持てました。

懐に余裕ができたら、原作の残りの9巻分もまとめて読んでみたいと思います。

 

最後になりますが、映画「響—HIBIKI—」制作に携わった皆様、良い作品をありがとうございました。